第４話　La merveilleuse maison "Deyrolle"

【秘密のパリへ連れてって　第４話】摩訶不思議な部屋「デロール』

Bonjour!!

映像ディレクターのＧâsûです。

フランスダイレクトスクール　映像教材「秘密のパリへ連れてって」

第４話が配信されました。

今回訪れたのは…

パリのど真ん中にある、

動物たちの天国、Deyrolle。

ここは、魂が天に召され肉体のみ残った様々な動物が

剥製としてその肉体を残し、まるで生きているときのように

美しい状態で展示、販売されている

博物館、兼　ブティックなのです。

【大人も子どもに戻る不思議の国】

子どもの頃、虫とか、動物とか、

「いきもの」に対する興味、ありませんでしたか？

でっかい図鑑を買ってもらい、

そして虫の名前を覚え、

「パパ、ヘラクレスオオカブト、買って！！

　すっげーかっけー！あめりかってとこにいるってさ！！」

みたいなこと、言ってませんでしたか？

あ、女子はないかもしれませんね。

女子はウサギちゃんとか、モルモットさんとかでしょうか。

「さみしいと死んじゃうんだって！！

　かわいそう。わたし絶対ずっと一緒にいるもん」

といってペットショップのケージを身を乗り出して覗く。

とかね！！

人間ではない、未知のいきものたち。

彼らはどんな生活をして、何を食べて、

どこに住んでいるのか？

「アマゾンにしかいないんだ…

　みなみあめりかにいこうよ！！

　アフリカのサバンナにしかいないのか…

　会えないじゃん！！パパアフリカに行きたいよう！！」

…といって大人にだまされサファリパークに連れていかれる。

そんなことを思い出しながら、

地球に生きるものたち、そしてまだ見ぬ土地への憧れを抱いた

純粋な心を取り戻すことができる場所です。

【驚異の部屋を知ってますか？】

驚異の部屋。

１５世紀から１８世紀にかけて、ヨーロッパで作られた、

マニアックなコレクションをキャビネットや台に陳列した

博物陳列室のことです。

最初にこのコレクションの部屋を作ったのは

イタリアの諸侯や有力貴族。そしてドイツにわたって

ドイツ語の「Wunderkammer」という名が知れ渡りました。

１６世紀には、研究者、文人の間でも作られるようになり

自然物、人工物分野隔てず

変なもの、珍しいもの、何かの道具…など、

収集し、見て、

そしてニヤッとする。

これが、博物館の前身となったそうです。

フランス語では、驚異の部屋のことを

cabinet de curiositésと言います。

デロールは、何人もの有名な芸術家や

作家と協力して

驚異の部屋を作ったり、

新たな作品を手がけたりしながら、

生物学、博物学の教育分野においても

様々な活動をしています。

cabinet de curiosités は、部屋の装飾、インテリアの一つとして

実は様々な個人のクリエーターが実践しています。

趣味の一環として、日々の生活の一部にしてしまうところが

日本人にはなかなかない発想かもしれませんね。

【Deyrolleの使命】

生物多様性を理解する。

自然を守り、持続可能な社会を、

多様ないきものたちと共存しながら築いていく。

アーティスティックなポスターや、

イラストが美しい図鑑を通して

子どもにも大人にも環境や自然を守る意識を

もっと持ってもらう。

それもまた、Deyrolleの使命なのだと

代表のFrancine CAMPAさんは言っていました。

アートと、環境問題への取り組み、教育を融合させる。

芸術の国、フランスならでは、面白いですね。

こちらは、《アレルギーって何？》

というテーマで書かれたポスターです。

アレルギーをもたらすもの、カテゴリーなどを紹介しています。

こちらは、《長続きする街》というテーマです。

人々にとって住みやすく、いつまでも持続していく街を作るために

大切なポイントをイラストと文字で紹介しています。

Deyrolleでは、図鑑や動植物の生態を紹介した本を

出版しています。

どれもフランス語とイラストのバランスが絶妙で

アート本のようなものが多く

フランス語を学んでいる人はもちろん

フランス語がわからない子どもたちでも

興味を持てそうです。

amazonでも購入できますので

洋書好きなかたは一冊買ってみてはいかがでしょうか。

Deyrolle

46 rue du Bac - 75007 Paris

+33 (0)1 42 22 30 07